ANBAIアプリの心拍検出精度の検証。ユニオンツール社のポータブル心拍センサmyBeat(WHS-3)と非常に高い精度で一致
株式会社DUMSCOでは、スマートフォンを用いた心拍変動解析が利用できるサービス『ANBAI』を提供しています。 そのベースとなる技術は、スマートフォンのカメラを用いた「光電容積脈波計測」と呼ばれる方法で、指先から脈拍間隔を計測します。 その計測精度については、日頃より技術開発を行っており、精度の向上に努めておりますが、 今回は、ユニオンツール社が製造販売しているポータブル心拍センサ『myBeat(WHS-3)』との心拍検出精度の比較試験を実施しました。 その結果、心拍の変動時系列データであるRRI(R-R Interval)の決定係数(R2)が0.998となり、心拍センサと非常に高い精度で一致し、専用端末と比較しても遜色のない性能を発揮していることを実証しました。

実験方法
左胸にディスポーザブル電極を貼付。myBeatの測定開始後すぐにスマートフォンにてANBAIの測定を開始。それぞれのデータから一致する区間のRRIデータを60秒分取得し比較しました。

項目 | 内容 |
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目的 | ANBAI(スマートフォンPPG)のRRI検出精度を評価検討する |
比較対象機器 | ユニオンツール社のポータブル心拍センサ myBeat(WHS-3)左胸にディスポーザブル電極を貼付 |
実験方法 | 合計5回,呼吸統制なしで1分間計測座位(3回)立位(1回)臥位(1回)myBeatの測定開始後すぐにANBAIを測定開始ANBAIの測定完了後,myBeatの測定を終了ANBAI(サーバーからRRI取り出し), myBeat(アプリからCSVデータ)データを取得それぞれのデータから一致する区間のRRIデータを60秒分取得 |
被験者 | 株)DUMSCO 男性社員(30代)3名被験者A: iPhone XS被験者B: Android Xperia SO-03J被験者C: iPhone 11 |
実験日時 | 2020/04/1 ~ 2020/04/13 @株式会社DUMSCO |
実験結果
心拍間隔を表すRRIの一致度は決定係数(R2)が0.998となり、非常に高い精度で一致していることを実証しました。

結論
実験の結果、サンプル数は少ないものの、日常の健康管理用途には十分高い精度が出ていると考えられます。 ANBAIはこれからも、さらなる実証実験をすすめ、誰もが無理せずいられる仕組みを作っていきます。
※ 今回使用した心拍センサは医療機器ではございません。疾病の診断、治療または予防を目的とした製品ではありません。 http://www.uniontool.co.jp/product/sensor/whs3.html
参考情報
myBeat, ANBAI, それぞれから取得した心拍変動時系列データRRI(R-R Interval)を用いて、心拍変動解析(HRV)の周波数領域の指標(LF/HF)を算出しました。 その結果、ピリオドグラム(FFT) および Lomb-Scargle法 どちらの解析法でも決定係数(R2)が0.994となり、よい一致を示しています。
また、心拍変動解析(HRV)の時間領域指標(rMSSD, SDNN)についても決定係数(R2)が0.951となり、よい一致を示しています。
今回の実験では、サンプル数が少ないものの、ユニオンツール社のポータブル心拍センサmyBeat(WHS-3)と心拍変動解析(HRV)の諸指標に関しても良い一致を見せ、実用上は十分な誤差の範囲に収まっていることが想定されます。

